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国内主要Androidスマートフォンブランドのアップデート実施状況を比べてみた

Androidスマートフォンのメーカーごとのアップデート実施状況が気になったので調べてみました。

目的

今回知りたかったのは以下の項目です。

  • Galaxy等のグローバルブランドはアップデートについて明言することが増えてきたが、国内メーカーの実施状況はどうなのか?
  • Galaxyはグローバルではソフトウェアサポート期間が伸びているが、国内キャリアモデルのアップデート実施状況はどうなのか?

比較対象

今回比較対象としたのはdocomoのキャリアモデルです。

同じキャリアモデルでもauSoftBankのキャリアモデル同士を比較するとか、そもそもキャリアモデルではなくオープンマーケット版を比較するということも可能ですが、「メーカーごとのアップデート実施状況を比較する」という目的ではdocomoのキャリアモデルが最も適してそうだったので、docomoのキャリアモデルを比較対象としました。

種類 特記事項
docomoキャリアモデル AQUOS, Xperia, arrowsの取り扱いあり
京セラの取り扱いが2020年冬モデルまでなし
セキュリティパッチレベルをHP上で確認可
auキャリアモデル arrowsの取り扱いが2014年~2020年なし
セキュリティパッチレベルをHP上で確認可
SoftBankキャリアモデル セキュリティパッチレベルをHP上で確認不可
オープンマーケット版 メーカーによってセキュリティアップデート実施状況を公開していたりしなかったりするので比較不可

おことわり

面倒なので兄弟モデルについては省略しています。 (例: Xperia XZ2 / XZ2 Compact、Galaxy S9 / S9+)

また、LGやHuaweiといった今は亡きメーカーについても調べていません。 (Huaweiはまだ生きてるけど)

略語

長いので以下のように略しています。

  • UP = アップデート
  • SPL = セキュリティパッチレベル
  • SUP = セキュリティアップデート

2018年 夏モデル

2022年2月13日 調べ

報道発表資料 : 2018年夏 新商品11機種を開発・発売 | お知らせ | NTTドコモ

モデル 発売時期 初期OS Ver. 最終UP 最終OS Ver. SPL UP実施間隔 定期SUP
Xperia XZ2 SO-03K 2018年5月 8.0 2020年6月 10 2020-05 約2ヶ月ごと 終了
AQUOS R2 SH-03K 2018年6月 8.0 2021年8月 10 2021-06 最初の2年は2ヶ月ごと
3年目は3ヶ月ごと
終了
arrows Be F-04K 2018年5月 8.1 2020年12月 10 2020-11 約2ヶ月ごと 終了
Galaxy S9 SC-02K 2018年5月 8.0 2021年7月 10 2021-06 約2ヶ月ごと 終了

Xperia XZ2 SO-03Kだけ丸2年でアップデート終了。他は最低2.5年はアップデートされている。

2018年 冬モデル

2022年2月13日 調べ

報道発表資料 : 2018-2019年冬春 新商品9機種を開発、合計11機種を発売 | お知らせ | NTTドコモ

モデル 発売時期 初期OS Ver. 最終UP 最終OS Ver. SPL UP実施間隔 定期SUP
(参考) Pixel 3 2018年11月 9.0 2022年2月 12 2021-10-05 1ヶ月ごと 終了
Xperia XZ3 SO-01L 2018年11月 9.0 2020年11月 10 2020-11 約2ヶ月ごと 終了
AQUOS sense2 SH-01L 2018年12月 8.1 2021年8月 10 2021-06 最初の2年は2ヶ月ごと
3年目は3ヶ月ごと
終了
らくらくスマートフォン me F-01L 2019年2月 8.1 2021年7月 8.1? 2021-05 約2ヶ月ごと 終了
Galaxy Note9 SC-01L 2018年10月 8.1 2021年7月 10 2021-04 約2ヶ月ごと 終了
Galaxy Feel2 SC-02L 2018年11月 8.1 2021年8月 10 2021-07 約2ヶ月ごと 終了

Xperia XZ3 SO-01Lだけ丸2年でアップデート終了。他は最低2.5年はアップデートされている。

2019年 夏モデル

2022年2月13日 調べ

報道発表資料 : 2019年夏 新商品13機種を開発・発売 | お知らせ | NTTドコモ

モデル 発売時期 初期OS Ver. 最新UP 最新OS Ver. SPL UP実施間隔 定期SUP
(参考) Pixel 3a 2019年5月 9 2022年2月 12 2022-02-05 1ヶ月ごと 2022年5月まで (予定)
Xperia Ace SO-02L 2019年6月 9.0 2021年7月 10 2021-06 約2ヶ月ごと 終了
Xperia 1 SO-03L 2019年6月 9.0 2021年11月 11 2021-10 約2ヶ月ごと 終了?
AQUOS R3 SH-04L 2019年6月 9.0 2022年1月 11 2021-11 最初の2年は2ヶ月ごと
それ以降は3ヶ月ごと
サポート中?
arrows Be3 F-02L 2019年6月 9.0 2022年2月 11 2021-12 約2ヶ月ごと サポート中?
Galaxy S10 SC-03L 2019年6月 9.0 2021年7月 11 2021-07 約2ヶ月ごと 終了?

Galaxy S10 SC-03Lは2021年7月以降アップデートが実施されていないのでサポート終了と考えられるが、2022年2月に日本法人が発表した3世代のOSアップデートと4年間のセキュリティアップデートの対象機種にGalaxy S10が含まれているため、アップデートが再開される?

2019年 冬モデル

2022年2月13日 調べ

報道発表資料 : 2019-2020年冬春 新商品8機種を開発・発売 | お知らせ | NTTドコモ

モデル 発売時期 初期OS Ver. 最新UP 最新OS Ver. SPL UP実施間隔 定期SUP
(参考) Pixel 4 2019年10月 9 2022年2月 12 2022-02-05 1ヶ月ごと 2022年10月まで (予定)
Xperia 5 SO-01M 2019年11月 9 2021年11月 11 2021-10 約2ヶ月ごと 終了?
AQUOS zero2 SH-01M 2020年1月 10 2022年1月 11 2021-11 約3ヶ月ごと サポート中?
AQUOS sense3 SH-02M 2019年11月 9 2022年1月 11 2021-12 最初の2年は2ヶ月ごと
それ以降は3ヶ月ごと
サポート中?
Galaxy Note10+ SC-01M 2019年10月 9 2021年10月 11 2021-10 約2ヶ月ごと 終了?
Galaxy A20 SC-02M 2019年11月 9 2021年12月 11 2021-11 約3ヶ月ごと 終了?

Galaxy Note10+ SC-01Mは2021年10月以降アップデートが実施されていないのでサポート終了と考えられるが、2022年2月に日本法人が発表した3世代のOSアップデートと4年間のセキュリティアップデートの対象機種にGalaxy Note10+が含まれているため、アップデートが再開される?

2020年 夏モデル

2022年2月13日 調べ

報道発表資料 : ドコモ初の5G対応8機種を含む新商品13機種を開発・発売 | お知らせ | NTTドコモ

モデル 発売時期 初期OS Ver. 最新UP 最新OS Ver. SPL UP実施間隔 定期SUP
(参考) Pixel 4a 2020年8月 9 2022年2月 12 2022-02-05 1ヶ月ごと 2023年8月まで (予定)
Xperia 10 II SO-41A 2020年6月 10 2021年12月 11 2021-11 約2ヶ月ごと サポート中
Xperia 1 II SO-51A 2020年6月 10 2021年12月 11 2021-11 約2ヶ月ごと サポート中
AQUOS R5G SH-51A 2020年3月 10 2022年2月 11 2022-01 約2ヶ月ごと サポート中
arrows Be4 F-41A 2020年6月 10 2022年2月 11 2022-01 約2ヶ月ごと サポート中
arrows 5G F-51A 2020年7月 10 2021年11月 11 2021-11 約2ヶ月ごと サポート中
Galaxy A41 SC-41A 2020年6月 10 2021年12月 11 2021-12 約2ヶ月ごと サポート中
Galaxy S20 5G SC-51A 2020年3月 10 2021年12月 11 2021-12 約2ヶ月ごと サポート中

2020年 冬モデル以降

2020年 冬モデル以降はどうせ全てサポート中なので調べてません。気が向いたらまた調べます。

所感

2019年以降のモデルはメーカーやモデルによって現在も定期アップデート対象なのかそうでないのか微妙なものがあるので何とも言えませんが、全メーカー・全モデルで定期アップデートが終了している2018年モデルを比較する限りでは、Xperiaが1人負けですね。最近のモデルにはもう少しマシなアップデートポリシーが適用されているかもしれませんが、Sonyが明言していない以上、擁護のしようがないです。アップデートを期待するのであればXperiaは買うべきではないという結論になります。

これに対して、同じ国内メーカーでもAQUOS・arrowsは健闘しています。元々AQUOSは2017年以降に発売したモデルに対して「発売から2年間、最大2回のOSアップデート」を謳っていますが、その宣伝通り、基本的に全てのモデルで2回、OSのメジャーアップデートが実施されているようです。AQUOS・arrowsともにセキュリティアップデートも最低2.5年は行われているようなので、ローンチ当時の状況も考えれば、結構頑張っているのではないでしょうか。

そして個人的に気になるのがGalaxyです。元々Galaxyは2020年8月にGalaxy Note20シリーズを発表した際に、Sシリーズ、Noteシリーズ、Zシリーズ、Aシリーズの一部のモデルに対して3世代OSアップデートと4年間のセキュリティアップデートを実施することを発表していましたが、日本ではキャリア - メーカー間の契約の関係もあるため、そのあたりについては今まで明言されていませんでした。一応、2022年2月にやっと明言されましたが、グローバルでは今もセキュリティアップデート対象であるGalaxy S9やNote9が日本では定期セキュリティアップデート終了になっていたり、毎月アップデートされているモデルが日本では毎月ではなくなっていたりと、グローバルのソフトウェアアップデートポリシーに追従できていないのが現実です。

キャリアモデルの場合、アップデートの際は端末メーカーだけでなくキャリアの方でも受け入れテストがあったり、単純に契約の問題もあるため、メーカーの一存でアップデートの頻度や期間を決めることはできない一方で、つい先日には上位モデルに対して4世代OSアップデートと5年間のセキュリティアップデートを実施することがグローバル向けにアナウンスされるなど、Galaxyのアップデートポリシーはどんどんアグレッシブなものになっていっています。

ソフトウェアサポート期間が伸びれば伸びるほどキャリアの負担も増すわけですが、日本のキャリアモデルもグローバルのアップデートポリシーに追従していってくれることを期待しています。